修了考査

【修了考査】各科目の出題傾向と対策

本記事では修了考査における各科目の出題傾向と対策をまとめました。

税務の出題傾向と対策(9月上旬から10月)

税務の範囲はほんとうに広いです。法人税法、消費税法、所得税法、地方税、資産税、国際課税、連結納税、組織再編税制と大きくわけても8つあります。このうちほぼ毎年出題されているのは、法人税法、消費税法、所得税法、相続税法です。

しかし、試験範囲の広さゆえか、過去問をみると、会計実務ほどひねりのある問題は出ていません。税務は要所をしっかりとおさえれば得点源となる科目といえそうです。

いろいろなブログを読んでいると、まず答練を受けて、わからない箇所を中心に復習するという、初期装備のままラスボスに挑むような方もなかにはいますが、なんせすべてがわからなさそうなので、まずは重要税目の重要論点に絞ってインプットしてから答練にのぞむことにしました。

はじめから答練をうけるとあまりの難しさにその時点でメンタル・ブレイクを起こして二度と浮上できなくなるのではないかと思いました。

まず、やるべきだと思ったのは最も配点が高く、かつ毎年必ず出題される法人税法ですが、出題頻度の高い論点が比較的多い印象です。

具体的には受取配当、租税公課、所得税額控除、外国配当控除、税効果会計、減価償却費、グループ法人税制、交際費、給与、寄付金あたりです。こちらは論文式試験でおなじみの論点なので、講義は受けずに3日間くらいかけてテキストをバーっと復習しました。

ごぞんじのとおり、法人税法はこの他にもやまほど論点がありますが、第一陣はほんとうに大事なところをせめて、時間が余ったらほかの論点をやろうとおもいました。ちなみに別表5の作成については知っていれば解ける問題が多いので、第二陣で講義を視聴しました。

次に消費税ですが、わりと簡単な問題が出題され、かつ配点が高く、毎年でるので、絶対に得意としたいところです。満点も狙えそうです。

論文式試験と重要な論点はほぼ同じなので、修了考査テキストのA論点の箇所を2日間くらいかけてバーっと復習しました。

軽減税率や税率が変更された部分はややこしそうなので、講義を視聴しました。

テキストをバーっと復習していると気分が良くなってきたので、その勢いで所得税法のA論点バーッと復習しようとしましたが、意外と忘れているところが多く、4日間くらいかかってしまいました。

余談ですが、所得税法ってすごくたのしいですよね。生活と直結しているし。知らなきゃ損!みたいなことも多いですよね。たまに勉強していて、え、これって今年の確定申告でやっとけば〇万円も得したじゃん、まじかみたいになりますよね。

話がそれましたね。

資産税のうち、とくに相続税は重要性が高いので、こちらはテキストのB論点以上の部分について講義を視聴しました。

余談ですが、相続税っておもしろいですよね。問題を解いていると、華麗なる一族みたいな大富豪家族が出てきて、連続殺人事件でも起きたかのように人がバタバタと死んでいって、不自然に相続を放棄する人とか孫が全員死んでたりとかぐちゃぐちゃなんですよね。問題を読みながら、その悲惨さに心を痛めたりもしますよね。

話がそれましたね。

法人税法、消費税法、所得税法、相続税法を1週間半くらいでインプットしてから答練を1回解きました。超重要論点はおさえているので、わりとできた印象があります。

その他の税目(地方税法、国際課税、連結納税、組織再編税制)は上記にあげた税目よりも重要性がグッと下がるので、会計実務のインプット後に、国際課税、組織再編税制を中心に学習しました。

国際課税って、ちょこちょこ実務でみかけますよね。移転価格税制とか。タックスヘイブン税制とか。それで、そういう時ってだいたいお客さんの方が詳しかったりして変な汗をかいちゃいますよね。このあたりをさらっておくと、クールな感じに対処できそうですよね。国際課税を知った後のボクはもう以前のボクとは違うよみたいな。ボクver2みたいな。TB_final_ver3.3_完全版.xlsxみたいな。

話がそれましたよね。

これらの税目は、年度によって出題されたりされなかったりするので、その年によって対策を変えていく必要があります

予備校の答練はその年の出題予想を踏まえて作成されているはずなので、答練で出た箇所を中心に復習という方法でもよいかと思います。

会計実務の出題傾向と対策

税務実務は、「やればやるだけ伸びる」というイメージなのに対して、会計実務は厄介です。まず、試験範囲ですが、JGAAPに加えてIFRSも当然のように出ます。広くて、深いです。

しかし、問題が易しいかというと、そうでもないんですよこれが。(典型論点もある程度は出題されます)

特徴的なのは、IFRSとJGAAPの差異について問われることが多いことです。

また、税効果会計における回収可能性の判定や、固定資産の減損における兆候の有無の判定など、実務で必ずトピックとなりそうな論点がよくでます。

 

令和3年度では、実務対応報告第 41 号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する実務上の取扱い」に係る問題が出題されるなど、その年のホットな論点を理解しているかどうかも問われる傾向にあるようです。

試験委員の多くは大手監査法人の現役パートナーです。実務で重要とされる論点がきちんと理解できているか?といった観点から出題しているのではないかと推測できます。

この観点で考えてみると、監査や経理をしている方は、実務で触れる論点をきちんと理解しておくことが会計実務の一番の対策になるのではないかと思います。月並みですが。(もちろんわたしは目の前の実務をこなすのに精一杯で、おろそかにしていたのですが)

より問題の詳細に目を向けると、まずは第一問、第二問で各150点ずつの配点となっています。このうち、第一問は連結財務諸表作成に関する総合問題です。総合問題といっても、論文式試験で出るような非支配株主持分をオリンピック選手のようなスピードで解かせるような問題ではなく単体F/Sの論点もバシバシ聞かれます。

さらに、令和2年度までは連結精算表の金額を埋めるような問題が出題されましたが、令和3年度では忽然と姿を消しています

「機械的にタイムテーブルを書いていけば解けると思うなよ」というメッセージなのでしょうか。怖いですね。

第二問では、中問が4~5問出題され、個別論点が問われます。ここで、上述したようなホットトピックや組織再編関連の問題が出題されます。

令和3年度では特に、対価を無償とする組織再編という論点が会計実務や税務で狙い撃ちにされていたように思います。

ここからが試験対策です。

インプットの段階では出題頻度の高いエリアをサーっと復習しました。具体的には、研究開発/ソフトウェア、退職給付、税効果、連結会計、持分法、固定資産の減損、企業結合/事業分離、金融商品会計、キャッシュフロー計算書、会計上の変更・誤謬の訂正、収益認識基準です。

税効果会計(回収可能性などの重要論点)や新収益認識基準は講義を受講しました。

IFRSは減損、無形資産(のれんも含む)、新収益認識、リース、金融商品、公正価値など、JGAAPとの差異を中心に重要性の高い部分をおさえました。

重要論点だけでもかなりボリュームが多いので、インプットだけでも10日間くらいかかりました。

その後、固定資産の減損や税効果会計、無形資産(IFRS)、新収益認識基準など超重要(とわたしが思ったところ)については補習所のテキストを読み込むなど、色んな形で理解を補強しました。

ここまできたら、①答練を解く、②間違えた論点を復習するの繰り返しです。答練を解く際に気をつけたところは後述します。

監査実務の出題傾向と対策

続いて監査実務についてです。配点は300点で、税務や会計実務と同じです。

監査実務はとにかく書かせる問題です。イメージとしては、インチャージとしてとある上場会社で監査を行っている過程で、検討すべき事項が発生し、それに対してあなたはどのような行動をしますか、といった内容の問題が出題されます。

問題はかなりリーズナブルというべきか、良問です。現場で起きそうな、発生したら要検討事項になりそうだけど、なんとなくわからなさそうなポイントを突かれます。(もしかしたら知らないのはわたしだけかもしれません)

J3までの若い年次のスタッフ(というかわたし)が引っかかりやすいところを狙われているような気がします。作問者は監査法人の現役パートナーが多いようです。

現場で検討事項になりやすいポイントといえば、まず思い浮かぶのは、実地棚卸、確認手続、不正リスク対応会計上の見積りでしょうか。もちろんこれらは頻出分野ですが、その他もろもろまんべんなく論点が出題されています。

CPAの修了考査用テキストでは、近年改訂された論点が中心に掲載されています。

インプットとしては、KAMやその他の改訂論点についてざっと目を通すことです。講義は受講していません。あとは、会計上の見積りや不正等の頻出論点は監基法をちら見する程度でした。

テキストはあまり読みませんでしたが、がっつりと目を通したものがあります。それは監査事務所検査結果事例集です。

検査結果事例集とは何かというと、公認会計士・監査審査会が監査事務所に対して実施した検査の過程で発生した、主要な指摘事項をまとめた資料です。

これは、全体で200ページ近くあるのですが、具体的な事例が掲載されているので比較的(少なくとも監基法よりは)読みやすいです。

すべてに目を通したわけではないですが、不正や会計上の見積りなどの頻出分野を中心に読み込みました

読んでいると、たしかにこのポイントって間違いそうだなあと思うところもあり、勉強になります。この検査結果事例集に掲載された事例と似ている問題が出題されたりもしているので、侮れません。

監査実務のために実施したのはこのくらいでしょうか。監査経験があると、特に勉強していなくとも答えられる問題が多いと思います。

あとは答練をやるのみです。

そういう意味でいうと、監査実務は答練中心の学習になりました。

経営実務の傾向と対策

経営実務は、IT(100点)とIT以外(100点)の計200点です。問題の難易度はかなり易しめです。

まず、ITですが、マニアックで技術的な問題が出るわけではなく、IT監査に関連した範囲が重要です。

その中でも、特にIT委員会実務指針第6号とIT委員会研究報告53号が重要で、この二つをおさえることを最優先としました。

ITの利用に関する概括的理解、全般統制や業務処理統制など超重要論点については覚えるくらいのつもりでやりました。

また、IT以外ですが、こちらは財務分析が頻出です。ROEとか、売掛金の回転期間分析とかのあれです。論文式試験の範囲と共通している上、テキストのボリュームもそこまで多くはなく、インプットにもほとんど時間をかけていないと思います。

テキストをざっと読んで、忘れていたところを中心におさえるくらいでした。あとは答練を解いて、時間配分や論述のしかたを学ぶくらいでしょうか。

職業倫理の傾向と対策

職業倫理は配点が100点です。配点が100点だからといって舐めて勉強せず、40点未満になり足切り不合格となる方がいるという恐ろしい科目でもあります。

答練も1回しかないのですが、しょうじきこれだけだと不安が残ります。なので、倫理については結構がっつりと直前期にインプットをしました。

倫理規則や倫理規則注解、独立性に関する指針、インサイダー取引規制あたりが特に重要です。まずはテキストのA、B論点はしっかりと抑えた上で、倫理規則、倫理規則注解は原文をまるごと2回くらい読み込みました。

特に倫理規定の基本原則と概念的枠組みアプローチ丸暗記するくらいの勢いでやりました。

おかげで、試験日のわたしの倫理観は誰よりも崇高だったといえましょう。日常的にしゃべる言葉も、どこか基本原則を思わせるようなものになってしまいました。